第376品 キャピラノ・ハニーのハチミツ
今回はハチミツを取り上げます。ハチミツは中国では明の時代に「臭腐神奇」という霊的作用によって生成されると信じられ、日本でも江戸時代の書物に同じことが書かれています。ちなみにその説に反論し、花の蜜と主張したのは教科書にも出てくる貝原益軒です。益軒の主張通りハチミツは花の蜜ですが、正確には蜂の巣の中でハチの分泌物(ローヤルゼリー)が混ざり水分が蒸散することで、花の蜜よりも糖度が高く、成分も変化しています。約7割が糖分で、この高濃度の糖分が殺菌作用をもたらします。
さて、前置きが長くなりましたが、オーストラリアで著名なハチミツ会社といえばキャピラノです。1953年創業の老舗で、製品にはマーヤやハッチに似たミツバチ坊やが描かれています。
味の方は、シルキーかつバターっぽく、トーストやパンケーキに合います。
実はこのキャピラノ、かつて製品にシロップが混ぜられているとの疑惑が持ち上がったことがあります。しかし自由競争・消費者委員会は調査の結果、混合を検出する手立てはなく、偽装は確定できないという歯切れの悪い結論を出しました。ちなみに疑惑を訴えた人物がキャピラノの買収を計画していたと後に判明します。株価が下がれば買収が容易になると考えたようです。
もちろんキャピラノは、昔も今も100%純粋と謳っています。(尋助)
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