食糧安全保障の影響

豪州の大手スーパーマーケットでは、傷がついたり賞味期限が切れた野菜や果物については、値引きして販売するのではなく、基本的には店舗裏側にある大型の処理機で粉砕して処分するようだ。この話を聞いたとき、大学で勉強した食糧安全保障について思い出した。
貧困に陥っている国はアフリカを中心に数多くあるが、特に食糧不足に関しては、問題は「不足」だけでなく「不適切な分配」にあるという。また世界貿易機関(WTO)発足後、米国など輸出大国が大きな利益を得た一方、輸入国や途上国は深刻な打撃を受けてきた。多くの途上国は安価な輸入品に値段で勝てず自国での生産ができなくなり、食糧自給率が低下した。
各国は自分たちの国土や国民が他国から侵されない権利を持つが、食糧分野ではなぜか入り乱れている。自国の利益を追求することは当然だとしても、スーパーで大量の食糧が捨てられる現状にはいささか理不尽な感情が拭えない。(芽依)

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