和食をすべての人に

休暇で広島を訪れた。街は外国人の受け入れに慣れた様子で、掲示板は4か国語表示、レストランのメニューもほとんどの店で英語版が用意されていた。ハラルなど食のニーズに対応している店も少なくない。

ある旅館では「ビーガン会席」なるものを見つけた。シドニーでさえ、ビーガン和食を提供する店はほぼない。気になって話を聞いてみると、フードコーディネーターの男性が出てきた。彼は「ハラルだろうとビーガンだろうと、すべての人に日本食の美味さを知ってほしい、そのために日々研究を重ねている」という。料理には、野菜の味に深みを出すための技が見え隠れしていた。

昔、シドニーの回転すし屋でバイトしていた時の出来事を思い出した。「ベジタリアンはどれ?」と聞いてきたオージー客を前に「なぜすし屋に来た」と心の中で毒づいた当時の自分を恥じた。(猫山)

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