畜牛価格は乱高下?市場情報会社が変動性分析

オーストラリアの畜牛価格のベンチマークである東部地区若齢牛指標価格(EYCI)が、昨年10月から急落を続けている。業界では、最近になって価格のボラティリティー(相場変動性)が高まったのではないかとの声も聞かれるが、市場分析会社エピソード3が価格変動率を分析したところ、年間を通じた価格の変化において目立った傾向は見られないという。

エピソード3は、1997年以降のEYCIの毎月の価格変動を基に年間のボラティリティーを算出した。この結果、ボラティリティーの幅は下限5%、上限30%の間に収まり、長期平均は16%、正常な変動幅は11%-22%だった。ボラティリティーが5%未満、または27%を超えるケースは非常にまれで、97年以降、この水準を超えた期間は全体のわずか5%にとどまったという。

エピソード3は、「実際には価格の急激な変動は存在しており、特に2021年と22年の初めは、ボラティリティーが通常幅を超える高い位置と低い位置から1年がスタートしている」と説明。ただし、季節的なパターンを見る限り年間を通じた変動は限定的で、ボラティリティーの高い時期と低い時期が年間の特定の時期に定期的に発生しているという傾向は見られないとしている。

■EYCI、年間4割下落

EYCIは現在、6豪ドル台が目前になった状態だ。今月1日の価格は7.05豪ドル(枝肉1キログラム当たり、1豪ドル=約91円)を付け、1年前から38%下落。直近の1カ月でも8%下落した状況だ。

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