杓子定規

日本に一時帰国していた時のこと。始発で数人しか客のいないバスに乗っていると、中年の女性がパンを食べだした。公共マナーに厳しい日本のこと、珍しいと思っていたら、やはり運転手が「車内での飲食はお控え下さい」とアナウンスした。

それを聞いた女性客がパンをバッグにしまったその後、料金箱からピピとアラーム音が。運転手はバスを止め、調べるがアラーム音は鳴り止まない。諦めて再出発した後は、すべての停留所で「料金箱の故障でお乗せできません」と。

オーストラリアでは支払い用カードリーダーの故障したバスが、客を無料で乗せることは日常茶飯事。日本はなんて杓子定規な、と思うも規則ならば仕方ない。日豪の差がこんなところにも。

ちなみに先の女性、客がもう乗らないと分かるとまたパンを取りだした。ミラー越しにそれを見た運転手、今度は何も言わなかった。(尋助)

公式SNSをフォロー