青春の味から・・・

6年ぶりの一時帰国で楽しみにしていたのは、実家近くの街道沿いにあるラーメン屋に行くこと。1990年代に流行した、豚の背脂が丼一面に浮くドロドロ系のラーメンで、見るからに不健康そうだが学生時代は帰省の度に通っていた。

深夜営業しているのも特徴で、今回も午前1時に自転車で行ってみた。店に入るとカウンター席の様子から品書きまで、何もかもが昔のまま。だが厨房で働く顔ぶれだけが変わっていた。かつては威勢のいい女性が一人切り盛りしていたが、今は若者が2人。「あれ、おばちゃんは?」と聞くと、「母です。もういい年なので」との答え。そうか、世代交代か、親孝行だ。味もこうして引き継がれるのかと一人納得。

やがてラーメンが運ばれスープを一口。「ん?」塩味がやけに強い。スープの大半を残し店を出た。

高血圧で塩分を控えるよう医師に言われているわが身。こちらも青春の味から世代交代する時が来たようだ。(尋助)

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