行政による農産品介入

日本でバター不足が深刻化しているようで、不可解な気持ちでいる。スーパーでも、バターの購入は一人一個に限るとか、そもそもマーガリンしか置いていない店も多いようだ。

良質なバターがふんだんにあるオーストラリアから商社が輸入すればいいと思うが、バターは日本の独立行政法人である農畜産業振興機構が一元的に仕切っており、自由に輸入できない仕組みだ。国内酪農家を保護するのが目的というが、市場に需要があるのに適切に供給できない仕組みは、本当に必要なのかどうか。

ところでケースは全く異なるが、以前、日本に一時帰国した同僚に「山椒」を買ってきてと頼んだことがある。オーストラリアには売っていないからだが、先週発行した弊誌の200号記念座談会で、山椒はオーストラリアに輸入できないと知って、どうりでと腑に落ちた。でもこちらは、食品検閲の話。

なのでオーストラリアでは、山椒の独特の香りとうな丼のマッチングが楽しめない。こちらも行政による過剰介入の例かもしれない。(西嵐)

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