第34回 パースの冬は自家製レモンとハーブでサラダ

わが家の自家製レモン

パースの冬には、この季節ならではの収穫があります。
わが家では数年前からリスボンというレモンの品種を育てています。春に花を咲かせ、冬には実が大きくなって、黄色く色づきます。
枝からもいだばかりのレモンは、本当に良い香りがします。特に、果皮からの香りは、酸味のある果汁と違い、上品で爽(さわ)やかです。
この時期は知人からも、庭に有り余るほど実った自家製レモンをたくさん頂きます。料理によくレモンを使うわが家にとって、有り難い限りです。
自家製レモンは、農薬やポストハーベストの心配をせず、皮まで安心して使うことができます。
■パースの冬は自家製サラダ菜も
パースの冬は、レモンをふんだんに使える一方、自家製のハーブ系サラダ菜も楽しめます。
わが家の庭の日陰になっている植え込みに2月、ミズナとロケットの種をまきディルの苗を植えました。5月にはかなり育ち、冬の間は育った葉を摘み取ってサラダに加えて楽しんでいます。
雨が降れば、水やりも不要で、ほぼ放置したままで簡単に栽培できます。最初の土づくりをきちんとしておけば、追肥はしなくても大丈夫なケースが多いようです。
わが家では、イタリアンパセリ、からし菜、ワイルドロケット、ミント、コリアンダーなども育てており、これらは冬の間に育てやすい、サラダに最適な野菜・ハーブです。
なんといっても、摘みたての葉の香りは極上です。

彩りがきれいなサラダ

■自家製の材料でサラダを
わが家で育てた野菜やハーブを、その時々手近にある食材と組み合わせて作ったサラダを、冬の間は幾度となく楽しんでいます。
特に、オーストラリアで一番人気の健康野菜 beetroot(ビーツ、ビートルート)と組み合わせたサラダが、私は大好きです。
パースのカフェやワイナリー、ブルワリーなどの食事では、ビーツを使った料理をよく目にします。
ほんのり甘いビーツと、辛み・苦み・香りのあるハーブ系サラダ菜を合わせるだけで、プロが手がけたような味を楽しめます。
ポイントは、たっぷりのレモン果汁に、ハチミツを溶いて甘く仕上げたドレッシング。ハチミツとビーツの甘みが相乗効果をもたらし、甘酸っぱくて華やかなサラダに仕上がります。
ドレッシングには香りのよいオリーブオイルと塩を足して、味を引き締めます。
無農薬の新鮮なレモンを使えるなら、レモンの皮を少量すりおろして加えると、香りが増します。表面の黄色い部分だけを、力を入れずに薄くおろすのがコツです。
わが家のサラダには、ビーツのほか◆ロケット(ルッコラ)◆みずな◆からし菜(Green Mustard)◆ディル◆ミントの葉─を入れています。
辛みのある葉物を少し混ぜ、ミントを少し加えるとハチミツとレモンの味に清涼感が加わり、良いアクセントになります。トッピングには、サワークリームか、もしくは無糖ヨーグルトを添えます。パースでは、サワークリームも安くて買いやすい食材です。無糖ヨーグルトなら、酸味が強くなく、水分が少ないタイプがおススメ。あるいは、水気をあらかじめ切っておくとよいかもしれません。

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投稿者プロフィール

名取 知衣子
1973 年東京生まれ。2013 年から西オーストラリア州・パースに在住。夫、ハイスクールに通う長女、プライマリースクールに通う長男の4人家族。日本と異なる生活に試行錯誤するうちに、オーストラリアの豊かな食事情に興味を持つようになる。オーストラリアのローカル食材を使って日本人が手軽に楽しめる家庭料理を研究中。レシピをブログ「パースで手作りざんまい(http://perth-zanmai.com/)」で公開している。