豪で最大級の日本産品商談会 和牛が初登場、地元バイヤーが食指
日本貿易振興機構(ジェトロ)は20日、オーストラリアのシドニーで、日本産農水産物・食品輸出商談会と日本産食材プロモーションイベントを開催した。5月末に日本産牛肉のオーストラリア向け輸出が17年ぶりに再開されたことで、和牛が初めて出品されたほか、日本国内で高い人気を集めている水産物や調味料などを、計20社がプロモーションした。会場には日系だけでなく現地のバイヤーの姿も見られ、日本産高級食材への関心が高まっている様子がうかがえた。【ウェルス編集部】
オーストラリアでは1人当たりの年間牛肉消費量が日本の約3倍で、1人当たりの所得は世界で最高水準とされ、日本の和牛生産者はオーストラリアでの市場開拓に意気込みを見せている。また、高級食材に対する関心も高く、高価格でも購入を検討する消費者が多いとされる。
商談会には約360人が申し込み、商談会に続いて開かれたプロモーションイベントの参加者も200人ほどと、オーストラリアで開催された中では最大規模のイベントとなった。
商談会に参加したのは、◆三和食品(細切り茎わさびなど)◆伊藤ハム(和牛)◆キユーピー醸造(酢)◆ショクリュー(養殖マダイ)◆日本ハム(和牛)◆ハウス食品グループ本社(カレーソース)◆JA全農インターナショナル(飛騨牛、米など)◆三崎恵水産(畜養大トロ)◆養老ミート(飛騨牛)◆ヤマシン醸造(白醤油)◆近江牛輸出振興協同組合(近江牛)◆銀閣寺大西(和牛)◆エスフーズ(和牛)◆しまね有機ファーム(有機ゆず製品)◆鎌田商事(だし醤油など)◆進藤重晴商店(ゆず原料の菓子など)◆大山食品(ゆず調味料など)◆キリシマランチ(和牛)◆鹿児島県食肉輸出促進協議会(和牛)◆鹿児島茶輸出研究所(有機抹茶)─の20社。
■和牛への関心高く
ジェトロによると、日本産牛肉のオーストラリア向け輸出再開を受け、現地の飲食店などからの和牛に関する問い合わせが急増している。今回の商談会では参加20社のうち、9社が日本各地の和牛をプロモーションした。
オーストラリアでは日本の和牛の遺伝子を取り込んだワギュウの生産が拡大している。商談会に参加していた和牛関係者は「和牛を今後オーストラリア市場で売り込むには、生産にまつわるストーリーを販売活動に組み込んで、地場のバイヤーに和牛のユニークな生産法や農家の工夫をアピールする必要がある」と、今後の課題を説明した。
また、水産2社がマダイやマグロ大トロを売り込む一方、肉や水産物に合う調味料を手がける7社が、日本の厳選した素材を活用した商品を展示した。オーストラリアで近年高まりつつある健康志向を踏まえ、有機抹茶や、ゆずを使用して甘さを控えた菓子も紹介された。
商談会後のプロモーションイベントでは、和牛のカッティングデモンストレーションのほか、料理研究家の出倉秀男氏や有名シェフのアダム・リアウ氏が手がけたレシピが紹介されるなど、日本産和牛の普及に向けたプロモーションが実施された。
また、同イベントには来豪中の上月良祐農林水産大臣政務官も参加し、イベント後の記者会見では、同日出席したニューサウスウェールズ(NSW)州政府のブレア一次産業相との、日本産牛肉のオーストラリア向け輸出を含めた農業分野全般での協力に向けた会合について触れ、「日本とNSW州はともに、農業分野での協力関係を強化する意向であることが確認できた。双方の強みを生かして、互いに恩恵を受けられるような関係を築いていきたい」と述べた。
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