湖城の窓から「市場原理」
オーストラリア酪農業界全体が注目する生産者乳価の開示期限まで、あと1週間を切りました。発表済の大手企業はブラ(8.8ー9.6豪ドル)のみと、各社横にらみをしている感が大いにありますが、酪農家の間では概ね9豪ドル前後と、比較的高い水準が予想されているようです。
一方のニュージーランド(NZ)。最大手フォンテラの運営する競売システム「グローバル・デアリー・トレード(GDT)」が、直近10回の競売で7回下落する下げ基調です。
この違いはオーストラリアにとって不利に働き、豪酪農製品協会(ADPF)によるとオーストラリア産乳製品はNZ産に比べ20%高くなっているそうです。
実際に小売大手ウールワースでは、オーストラリアのナショナルブランドで、NZのウエストゴールド(100グラム当たり1.45豪ドル)より安い品はありません。唯一プライベートブランド品(同1.28豪ドル)が競合している状況です。
高品質で安価な商品が参入してきた場合、価格に下げ圧力がかかるのが市場原理。高い生活コストに苦しむオーストラリアの消費者としては、NZ産がもっと大量に入ってきてほしいところです。(尋助)
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