湖城の窓から「続く不確実性」
パンデミック当時の物流の混乱が、解消したという声を聞きます。しかし穀物の収穫シーズンが近づくにつれ、コンテナ入手の不確実性に再び注目が集まっているようです。
ビクトリア(VIC)州北部の農家で、生産者団体グレイン・グロワーズ会長のホスキング氏は今月初旬、44トントラック2台分のレンズマメを出荷し、このほど3台目を送り出しました。しかし直後に連絡を受け、初旬に出荷した作物を輸出するためのコンテナが、まだ到着していないと告げられたそうです。同氏はやむなく、輸送中の3台目のトレーラーに倉庫へ引き返すよう指示しました。結局作物は1ミリも移動しないまま、これまでになかったコスト負担が発生しています。こうした事態に同会長は「誰のエラーでもない。今の物流の混乱がこうした症状として顕在化する」と諦観しています。
ただ市場には、別の見方もあります。穀物輸送業者グレインワイズは「これまでは国内に入るコンテナ数が少なかったが、現在この問題は解消した」とし、「事態はスムーズに動いている」と説明。運輸業界団体シッピング・オーストラリアも「把握している限り、輸送用コンテナの不足は発生していない」としています。
ホスキング会長は、「3年前にこの状況が発生したら、業界は大騒ぎしたはず」と述べつつ、最終的に確約が取れないまま再出荷のプランを立てました。
レンズマメ、ヒヨコマメ、エンドウはVIC州からコンテナで輸出される主要作物です。コスト高と不確実性の問題は解消していないようです。(編集長)
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