地声人語・湖城の窓から- vol.540
【地声人語】
近く、美術鑑賞に行くことにしました。飲食・エンターテインメント業界支援プログラム「ダイン・アンド・ディスカバー」のバウチャー(金券)を、やっと使えることになりそうです。日本語でのガイドツアーに参加することもできるようで、大いに期待しています。久しぶりに絵を見に行き、南半球で芸術の秋を堪能したいです。(弥生)
近く、魚介類鑑賞に行くことにしました。要するに釣りです。これまではコロナやら何やらで自然で遊ぶのもままならなかったところですが、日本から買ってきた釣り具の効果も試したいところです。釣り場所は初心者向けになりそうですが、シマアジなどの大物狙いでいきます。久しぶりに釣りに行き、南半球で魚の秋を堪能したいです。(西嵐)
近く、音楽鑑賞に行くことにしました。今日が誕生日で大台に乗ったので、浮つかず地に足の付いた高尚な趣味を持つことにします。それなら演歌?というところですが、やはりシドニーいえばオペラハウス、クラシックで決まりでしょう。久しぶりにコンサートに行き、南半球でヴィバルディの秋を堪能したいです。(尋助)
【湖城の窓から】
「EVが穀物市場を破壊」
世界で最も栽培されている穀物は何でしょうか?その答えはトウモロコシ(コーン)で、年間生産量はおよそ12億トンです。実は近い将来、この穀物の需給バランスが大幅に狂う可能性があるといわれています。
その背景にあるのは、電気自動車(EV)の普及です。オーストラリアでも6割の消費者がEVに関心を寄せていると言われますが、このまま内燃機関車が減少すると、コーンから製造されるバイオ燃料のエタノールの行き場が蒸発してしまうのです。米国で2000年に生産されたコーンのうち、エタノールとして使われたのは約6%でした。しかしこの燃料の義務化により、21年にその割合は39%にまで増加。現在米国のコーン在庫率は25%程度ですが、エタノールが使われなくなると40%超に跳ね上がります。「世界はコーンで溢れている」という状況になり飼料穀物市場は制限されます。コーンと小麦の価格には相関関係があるため、小麦にも影響は大きいでしょう。
現在エタノールを製造しているのはブラジル、欧州、中国など。エタノール市場の成長により、コーンの生産量は過去20年間で大きく増加しました。農家は今後も生産量の増加を追求し続けると予想されます。一方でエタノールの需要はこの先20-30年で減少するとみられています。需給バランスが崩れた時、コーンは新たな利用価値を見出す必要があるとみられています。
オーストラリアが欧州に輸出するカノーラも、主な用途はバイオ燃料です。近年好調なカノーラですが、その将来はいかに。(編集長)
【ウェルスのトリビア 〜今週の紙面から〜】
アサヒ・ビバレッジズがこれまでポーランドから輸入していたある果物を、タスマニア州からの調達に切り替えました。アルコール飲料の材料にもなるその果物は、一体何でしょうか?(答えは記事中に)