地声人語・湖城の窓から- vol.536

【地声人語】

使い方に困っています。お歳暮でアマゾンのギフトカードをもらいました。不要なものをもらうよりは、ギフトカードの方が実用的だと思っていましたが、いざもらってみると、何を買うか意外と悩みます。急ぐことでもないので、ゆっくり決めればよいのですが、時間が空きすぎると、ギフトカードの存在を忘れて普通にオンライン購入する自分の姿が目に浮かびます。(弥生)

付け方に困っています。今やマスクは生活必需品になってしまいましたが、たまに携行を忘れることがあります。そこで店舗などでもらうことがありますが、いざもらってみるとゴムがキツかったり、質が悪かったりして、なんとなく付け心地が悪いことがあります。慣れぬマスクを付けながら、そわそわしている自分の姿が目に浮かびます。(西嵐)

捨て方に困っています。毎日消費するビールの瓶は、リサイクルに出すことが環境のために良いことですし、何よりお金がもらえます。いざもらってみると、わずか数豪ドルで小遣いにもなりませんが、ないよりはマシ。ただ最近のオミクロン株で外出もままならず瓶も貯まる一方です。こまめに出さないと、山のような空き瓶を背負う自分の姿が目に浮かびます。(尋助)

【湖城の窓から】

「弱り目に祟り目」

新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の大流行で、オーストラリアでは約3,800万時間の労働時間が失われるという試算があります。また、隔離により労働者の半分が今年上期(1〜6月)に1週間勤務が不可能になるという予想も出ています。

農業・食品業界に大きな影響を出ており、今週号は各界の状況を複数の記事で取り上げました。誌面の都合上、掲載できなかった業界の一つに、バレンシア・オレンジがあります。NSW州リベリナ地方では、5,000人分の労働力が必要なのに、現在3,000人分の労働力しか見込めないそうです。というのもオレンジ業界の労働者は、ダブルワーカーが多く、その兼務先は食肉加工場なのです。加工場はその業務体制からホットスポットとなり易く、人員が急減。非感染者は供給を保つために勤務シフトが増え、残業も行うことで、バレンシア・オレンジの収穫に従事できないという事態になっています。

一方でオレンジの需要は、オミクロンの渦中でビタミンCを摂ろうという世界中の市場から注文があるそうです。

するとコロナによる物流の混乱も問題になります。かつて6,500豪ドルだった欧州向けコンテナの輸送費は現在2万豪ドル。オレンジの代金の半分以上が輸送コストとなり、輸送日数も3倍に伸び、輸出業者は苦慮しています。

そんな中、先週この地方に直径が最大6センチにもなる雹(ひょう)が降りました。果実は傷付き、数百万豪ドル分の被害が出ました。弱り目に祟り目とはまさにこのこと。【編集長】

【ウェルスのトリビア 〜今週の紙面から〜】

西オーストラリア(WA)州東京事務所はこのほど、アボカドを始めとするWA州産食品・飲料のプロモーション・イベントを開催しました。WA州はアボカドの生産量で、ある州とシェアを競っていますが、さてどの州とライバル関係にあるでしょうか?(答えは記事中に)