湖城の窓から「肥育牛の減少」

オーストラリアの肥育牛の頭数が減少しました。今週付の「豪の肥育牛頭数、減少も100万頭は維持」にあるように、業界団体の調べによると2022年第3四半期(7-9月)の穀物肥育牛は、前期から約1割減っています。

これについて食肉家畜生産者事業団(MLA)は「依然として100万頭を超えており、業界の強さを示している」という見解を発表していますが、果たしてそうでしょうか。

実は第2四半期時点でも、前期比で約6%減少しました。今年3月時点で127万頭だった肥育牛は、9月には105万頭。半年で約17%減少しています。

一方、今年10月の牛肉の輸出量を見ると、穀物肥育牛肉は2万4,371トンで前年比10%減。片や牧草肥育の輸出量は2.9%増の4万8,670トンです。オーストラリアの穀物肥育牛の三大市場である日本、韓国、中国は、どこも輸入が減少しています。

飼料価格や労働力など、インフレの進行により農業生産コストが上昇していると言われます。そんな中で販売の減少が続けば、将来はジリ貧になるかもしれません。高コストも販売減少も、一時的であればよいのですが。(編集長)

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