オセアニア農業の歩み「ワーホリ見直し、農業界に波紋」
今週のトップ記事では、オーストラリアの新年度予算案を取り上げました。農業界にとって大きな柱となったのは、燃料安全保障です。燃料や肥料の供給安定化が予算の重点に据えられた背景には、生産者が直面する深刻なコスト高があります。
ビクトリア(VIC)州では、生産者の4分の3が冬作物の作付面積を減らすか、作物転換を進めているとされ、ビクトリア州農業者連盟は、連邦政府に13億豪ドル(1豪ドル=約113円)規模の一回限りの支援金を求めています。今後の連邦政府の支援策が、生産量の減少や生産者の資金繰りの悪化をどこまで食い止められるかが問われそうです。
予算案では、青果の収穫で重要な季節労働力となっているワーキングホリデー制度の縮小方針も示されました。同制度の見直しを巡っては、議論が浮上するたびに農業界から強い反発が出ています。昨年の連邦選挙では、移民の大幅削減を掲げた野党自由党から制度縮小を求める声が出ていましたが、与党労働党からこうした方針が示されたことは特筆に値します。
住宅やインフラ不足への懸念を背景に、有権者からは移民削減を求める圧力が強まっており、連邦政府は海外から優秀な人材を確保するため、熟練労働者向けビザを優先する方針です。制度変更の内容次第では、農業現場の深刻な人手不足につながる懸念もあり、注視していきたいと思います。(本田歩)
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