ことの葉「似て非なるもの」
オーストラリアのある店で味わった牛丼が実に興味深いものだった。見た目は確かに牛丼だが、味わいもまた「牛丼らしい」としか言いようのない、絶妙に本場とずれたものだった。店主が日本人ではないためなのか。まずくはないが、どこか決定的に違う。
その違和感を抱えたまま、日本の牛丼店をこよなく愛する筆者のパートナーに食べてもらったところ、「違いは分からない」との反応が返ってきた。なぜこの差異が分からないのかと思い、ドイツ人の友人にその話をこぼしながらソーセージを食べていた。すると友人は、「今食べているそのソーセージは、本場ドイツの味と同じだと思うか」と問いかけてきた。
ドイツを2度訪れたことのある筆者は、自信満々に「ドイツで食べた味を思い起こさせる」と答えた。すると友人から「結局、君も同じではないか」と断罪された。(花男)
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