ことの葉「ふやけた朝食」

全粒小麦を固めたシリアル「ウィートビックス」に寄せるオーストラリア人の信頼は厚い。そのままかじれば口の水分を奪われ、まるで見た目共々段ボール箱を食べているような味気なさだが、牛乳でふやかしてフルーツを乗せるのが定番。幼児から大人までを支える国民食だ。

その存在感は食卓にとどまらない。英語で東西南北を北、東、南、西(NESW)の順に覚える語呂合わせは「Never Eat Soggy Weet-Bix(ふやけたウィートビックスを食べるな)」だ。子どもたちは地図と一緒に、ウィートビックスの食べ方まで教わるという。

ところが毎朝の食卓を見ると、大人も子どももそろってドロドロにふやかして食べている。結局あの語呂合わせは食べ方の指南ではなく、方角を忘れないための言葉遊びにすぎない。オーストラリア人は教訓よりも、おいしさの向かう方角をよく知っているということか。(岩下)

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ウェルス編集部

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