湖城の窓から「選挙が近いと」

2025年3月13日 2025年3月13日

ウェルス編集部

サイクロンから熱帯低気圧となった「アルフレッド」は、10日までにクイーンズランド（ＱＬＤ）州南東部とニューサウスウェールズ（ＮＳＷ）州北部を通過し、大雨や洪水被害をもたらしました。

今週掲載した農業・食品業界への打撃だけでなく、建設業界にも影響を与え、生産性の問題を悪化させ、全体の被害額は１日当たり11億豪ドル（１豪ドル＝約95円）に上るとの試算も出ています。

そうした中、自由党のピーター・ダットン党首が、アルフレッドの上陸が予想されるその日に、ＱＬＤ州の選挙区を離れ、レストラン経営界の富豪、ジャスティン・ヘムズ氏のシドニーの自宅で行われたイベントに出席したことで批判を浴びました。アルバニージー首相は直接の非難を避けた一方、労働党の重鎮マレー・ワット氏は「地元選挙区の住民が土嚢を積んで洪水に備えていた時に、ダットン氏は資金袋に金を詰めていた」と述べ、「彼の行動は彼の人物像をよく表している」と糾弾しました。

これに対しダットン氏は「この状況を政治的な攻撃に利用する方が品位に欠ける」と反論。同氏は自身の家と高齢の叔母の家をサイクロンに備えて準備したと強調し、「自然災害を政治利用しようとしているのは、むしろ労働党だ」と主張しました。同氏の支持者も「与党は本当に被災者支援に注力していない」とヒートアップしています。

総選挙が近づいたことで、さまざまな事柄が争点になる今ごろの政界。この有権者を顧みないやりとりは、文字通り泥仕合ではないかと。（編集長）

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