湖城の窓から「植物性”ミルク”」
英国控訴院(The Court of Appeal)は先週、スウェーデンの植物性ミルク・ブランド「オートリー」に対し、マーケティングで「ミルク」という言葉の使用を禁じる判決を下し、業界に大きな衝撃を与えました。
オートリーは、植物性ミルクの消費者をターゲットにした「ポスト・ミルク・ジェネレーション(ミルクの後の世代=ミルク新世代)」というキャッチフレーズを商標登録していました。一方、業界側は「ミルク」という言葉の使用が誤解を招くと訴え、英国の業界団体デアリーUKとオートリーは長年法的闘争を繰り広げていました。それが今回、新展開を迎えた形です。
これは英国の話ですが、オートリーは当地のスーパーマーケットでもよく見かける、オーストラリア人にとっても身近なブランドです。
動物由来の製品に使われていた言葉を植物由来の製品に使うことについては、オーストラリアでも何度か議論されています。過去には、クイーンズランド州のマクドナルド上院議員が、植物由来の代替肉製品に「バーガー」や「ミンチ」といった名称を使うことを禁止するべきだと勧告しましたが、最終的には規制はされませんでした。ただ、他国でのこうした判決の影響や、国内で植物由来の製品や培養肉などの新興代替食品の開発が加速する中で、線引きや規制を求める声はますます高まっていきそうです。(編集長代理)
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