オセアニア農業の歩み「安さの裏で進む調達先の集約」

今週号では、低価格を強みとするドイツ系格安スーパーのアルディと米会員制スーパー大手のコストコが約1割増収したことを取り上げました。消費者が1週間の買い物で利用する店舗数も増えており、少しでも安い商品を求めてスーパーを使い分ける動きが広がっています。

こうした価格競争と並行して進んでいるのが、大手スーパーによる物流や調達網の効率化です。コールズはネット注文の処理にロボットを導入することを検討する一方、供給網の簡素化を目的に、ニューサウスウェールズ州コフスコースト産の一部青果物の取り扱いを中止する方針を示しました。競合ウールワースも来年からタスマニア州産牛肉の販売を終了する予定です。

物流の合理化はコスト削減につながり、消費者の利益になり得ます。ただ、調達先の集約が進めば、小規模な生産者ほど販路の確保が難しくなる恐れがあるほか、消費者にとっても、商品の選択肢が狭まることになりかねません。

ニュージーランド(NZ)では、大手2社による複占が続くスーパー市場に変化の兆しが見えています。独立系のパドック・トゥー・パントリーが今後5年間で20店超を新設する計画です。また、米会員制スーパー大手のコストコの南島初の出店計画も前進しました。

新規参入によって価格競争が活発になれば、消費者にとっては朗報です。ただ、価格の安さだけでなく、地元の農家や食品メーカーに新たな販路が開かれるかどうかにも注目しています。(本田歩)

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ウェルス編集部

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