湖城の窓から「自動車排ガス規制、農業界は?」

オーストラリア連邦政府がこのほど、車が排出する二酸化炭素を今後60%以上削減させる規制案を発表しました。排出量が基準値を超えると、メーカーは炭素クレジットの購入が義務付けられます。

この案に対し農業界は、農場で用いられるピックアップトラック(UTE)や4輪駆動車の代替となる低排ガス車の登場が、規制に間に合うかどうかを懸念しています。

関係者によると、トヨタのハイラックスや三菱自動車のトライトン、フォードのレンジャーなどの現行型は、規制で求められる基準を満たしていません。

全国農業者連盟の代表者は「農業界が環境保護の足手まといになることは望んでいない」としています。その上で、「(現行車と)同等の価格で同等のパワーの代替車があるなら、ぜひ議論しよう」と述べ、一方で「そうした車が実現しないなら、導入を先延ばしにするか、農業界に受け入れられる形にするべきだ」との警戒も示しました。

エックス(旧ツイッター)上では、フォード・レンジャーのハイブリッド車が電力のみで45キロ走行できるとの投稿に対し、「冗談だろ。街乗りじゃないか」とか、「オーストラリアは地方がまた忘れ去られている」という書き込みが見られます。

野党国民党党首で元農相のリトルプラウド氏は、「技術がサポートしないのに、イデオロギー的な視点で進めることに注意を払うべきだ」と述べています。

さて、技術は生産者の懸念を払しょくできるでしょうか。(編集長)

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