第19尾 「Hussar(タテフエダイ)」

3月上旬に色鮮やかな魚が市場で目に止まりました。背ビレや尾ヒレなどが黄色く、全体に赤みがかっています。これはフエダイの一種で、日本市場には出回らない「タテフエダイ」とみられます。

英語名で「Yellow banded snapper」の別称もあります。黄色帯のタイ、です。

タテフエダイには、目から尾ひれにかけて一筋の線があります。

実はこの線上に、背ビレ後方の下辺りで大きな楕円形の斑文を作っている種もあります。これは、黒い星があるフエダイということで「クロホシフエダイ」と呼ばれ、日本でも良く捕獲されますし、オーストラリア北岸にも生息します。

しかし今回のタテフエダイはそれとは別となります。オーストラリア市場での値段は高くありません。20センチ程度の小ぶり3匹で10豪ドル(1豪ドル=約84円)でした。

筆者は塩焼きにしていただきましたが、コクのある風味は、カサゴの塩焼きのそれにも似ています。ただし、ややクセがある味と感じる人がいるかも知れません。骨は取りやすく、塩焼きには向いている魚です。

ちなみに釣ると引きが強いことから、オーストラリアでは釣り競技向きとして重宝されるようです。【西原哲也】

 

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