オセアニア農業の歩み「安さの裏で進む調達先の集約」

今週のトップ記事は、オーストラリアのウイスキー市場で、競争が激化しており、生産者の明暗が分かれていることについて取り上げました。

世界的にウイスキーの需要は低迷しているとみられています。スコットランドのホリールード蒸留所は、再開時期を定めずに生産を休止しています。英ディアジオ、仏ペルノ・リカール、伊カンパリ、米ブラウン・フォーマンの酒類大手4社の時価総額の合計は、2023年末から約半減しました。

ウイスキー産業の難しさは、仕込みから販売までに長い年月を要する点です。タスマニア州のマクヘンリー蒸留所では、原酒の熟成に約10年かかります。同蒸留所は、現在の減産によって、将来の需要回復時に供給が不足することを懸念しています。目先の需要に合わせた生産調整が、何年も先の経営を左右するのです。

日本でも国際的な評価を追い風にクラフト蒸留所が増えています。ただ、新設蒸留所の商品が今後市場に出回れば、競争がさらに激しくなる可能性があります。品質だけでなく、販路の確保や長期的な需要を見据えた生産計画が欠かせません。

オーストラリアの蒸留所が直面する課題は、日本のウイスキー産業にも共通します。原料となる穀物の生産から製造、流通まで幅広い産業に関わるだけに、需要の変化に対応できる経営基盤の構築が求められそうです。(本田歩)

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ウェルス編集部

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