牛乳価格、インフレ調整の適正値より1.5$安?
オーストラリアで販売される牛乳の価格が、インフレ率に基づく水準より1リットル当たり1.50豪ドル(1豪ドル=約100円)安いことが明らかになった。酪農家らは、主要スーパーマーケット3社が2011年に1リットル約1豪ドルへ値下げした際に生まれた「安さ神話」が、長期的に酪農業を圧迫していると訴えている。
オーストラリア連邦準備銀行(RBA)の物価データによれば、1970年代の牛乳価格がインフレに沿って推移していれば、現在の適正価格は1リットル当たり3.50豪ドル超となる。業界紙ウィークリー・タイムズによると、1990-2000年代の機械化で生産コストが下がったことを考慮しても、自然な価格は2.56-2.95豪ドルと推定される。
ギプスランドの酪農家、グリフィン氏は「11年の値下げがなければ、牛乳価格は今より持続的だったはずで、現実的な価格は2豪ドル以上だ」と訴えた。現在、国内では1リットル入りは1.65豪ドルほどで販売されており、他の先進国と比べても低価格に抑えられている。
オーストラリアの酪農家団体イーストAUSミルク(eastAUSmilk)のブラッドリー会長は、「スーパーで他の品物が値上がりをしている一方で、牛乳だけがインフレから取り残され、非現実的な安値が続いている」と批判。小売大手に価格是正と酪農家への利益還元を求めた。
ドイツ系格安スーパーのアルディは、「乳製品カテゴリーの価格を必要に応じて見直していく」とコメントした。
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