オセアニア農業の歩み「異常気象が動かす農産物市場」

今週のトップ記事では、世界最高水準にあるオーストラリアのビール価格と、その背景にある物品税を取り上げました。メルボルンでは、500ミリリットル入り国産ビール1本の平均価格が5.27米ドル(1米ドル=約163円)で、東京の1.79米ドルの約3倍です。ビール5本とたばこ2箱の合計価格を比べた「オアシス指数」でもメルボルンは世界一となり、東京との差はさらに大きくなっています。

欧州では熱波の勢いが収まりません。6月の西欧は観測史上最も暑い6月となり、7月に入っても40度を超える猛暑や山火事が各地で続いています。穀物の生育にも影響が広がり、欧州連合(EU)と英国の今年の穀物収穫量は、前年を2,300万トン以上下回るとの予想が出ています。特に小麦や大麦、トウモロコシへの影響が大きく、生産減少による損失額は約20億ユーロ(1ユーロ=約186円)に上るとの試算もあります。

欧州の不作懸念は、オーストラリアやニュージーランド(NZ)の農業市場には追い風となりつつあります。国際穀物相場の上昇を受け、低迷していたオーストラリア産小麦の輸出価格は上向いています。乳製品市場でも、欧州や米国の猛暑で生乳生産への影響が強まれば、「グローバル・デアリー・トレード(GDT)」の競売価格を下支えする可能性があります。遠く離れた地域の異常気象が、オーストラリアやNZの農産物価格を動かす状況を改めて感じます。(本田歩)

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ウェルス編集部

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