オセアニア農業の歩み「日本茶ブームは誰の商機か」

今週のトップ記事の取材で、メルボルンで行われた静岡茶のお茶セミナーを訪れました。印象に残ったのは、参加した料理人や飲食店関係者が味を確かめるだけでなく、産地による茶葉の特性や製法、入れ方まで熱心に尋ねていたことです。料理との組み合わせを巡って参加者同士の話が盛り上がる場面もあり、紹介された茶葉の導入を具体的に検討している様子がうかがえました。

商品の珍しさだけでなく、提供する場面や飲み方によって、お茶の付加価値が大きく変わることも印象的でした。メルボルンの和食店「ワラビ(Warabi)」では、ノンアルコールのスパークリングほうじ茶を1杯20豪ドルで提供していると言います。酒席の雰囲気は楽しみながらも、飲酒は控えたいという客から支持されているそうです。

興味深いのは、この商品を手がけているのが日本企業ではなく、イギリスメーカーだったことです。先週取材した飲食業界向け展示会「ファインフード・オーストラリア」でも、中国企業に加え、ドイツやオーストラリアの事業者が抹茶やほうじ茶を売り込んでいました。

日本茶の人気が高まっても、日本企業が自動的に市場を獲得できるわけではありません。日本企業や自治体が、商品の特徴だけでなく、飲み方や楽しみ方まで含めてどのように提案し、オーストラリアで継続的な販路を築いていくのか。これからも現場の動きを追っていきたいと思います。(本田歩)

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ウェルス編集部

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