オセアニア農業の歩み「値上がりが止まらない」

今週号では、決算や統計から、オーストラリアとニュージーランド(NZ)で食品価格への上昇圧力が根強く続いていることが改めて浮かび上がりました。

NZでは過去10年間で賃金が約52%上昇したのに対し、卵は120%以上、バターは157%以上値上がりしました。オーストラリアでも過去5年間で卵や牛乳が4割近く値上がりしています。オーストラリアの酪農業は、農場を集約し、高い生産性でコストを抑えてきましたが、生産・物流コストの上昇で、生産現場は大きな影響を受けています。

食肉も同様です。牛肉と鶏肉の価格高止まりは2027年まで続くとみられています。鶏肉最大手インガムズは今年度、飼料費や輸送・包装費などで計1億3,000万豪ドル(1豪ドル=約114円)のコスト増を見込んでいます。コールズは今後12カ月のインフレ率が過去12カ月を上回ると予想しており、警戒感を強めています。

そこに新たな不確定要素として加わるのが、今年6月に始まり、27年まで続くと予想されるエルニーニョ現象です。高温・乾燥によって小麦や大麦、カノーラなどの生産が落ち込めば、飼料や食品の価格をさらに押し上げる可能性があります。(本田歩)

投稿者プロフィール

ウェルス編集部

公式SNSをフォロー