オセアニア農業の歩み「豪農業の強さの足元を問う」

今週号からは、高水準を示す全国統計と、個々の産地や生産者が直面する厳しい現実との隔たりが浮かび上がりました。オーストラリアの2026/27年度(6月期)の農産物生産高は、名目ベースで過去2番目の規模を維持する見込みです。

一方、大規模農家の平均事業利益は、収入の減少に加え、燃料や肥料などの投入コストの上昇が響き、実質39%減少すると予想されています。生産高だけでは、産業の健全性や生産者の経営実態を測れないことが改めて示されました。

冬作物にも同様の構図が見られます。全国の生産量予測は前回時から12%引き上げられましたが、乾燥が続くクイーンズランド州では大幅な減産が見込まれています。全国値の改善とは対照的に、南北の作柄格差が一段と鮮明になっています。

酪農・乳業界では、生産者乳価の上昇により生産高は2%増える見通しです。しかし、小売りでは米国産乳製品の存在感が増しているほか、クイーンズランド州では、州外から大量の牛乳を調達しながら、地元酪農家が生乳の引き取り先を確保できない事態も起きています。産地間の格差を是正しながら、生産、加工、販売を持続可能な形で国内で一体化できるかが課題となるとみられます。(本田歩)

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ウェルス編集部

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