オセアニア農業の歩み「酪農業界の悩みの種」

今週のトップ記事では、オーストラリアの農産物輸出額が初めて800億豪ドル(1豪ドル=約112円)を超えたことを取り上げました。牛肉は日本を含む主要市場で需要を取り込み、穀物を6年ぶりに上回る輸出額となりました。羊肉やかんきつ類も過去最高を記録し、畜産と青果が輸出全体をけん引しています。

ただ、好調な輸出の一方で、酪農を巡る環境は厳しさを増しています。ベンディゴ銀行のレポートによると、乳製品の輸出額は減少する一方、国内市場では安価な米国産乳製品の存在感が急速に高まりました。米国では生乳供給の回復と加工能力の拡大でバターやチーズの価格が抑えられており、豪ドル高や輸送コストの低さも輸入を後押ししています。

この1年で、従来は外食向けが中心だった米国産バターが小売店の棚にも並び始めました。オーストラリア産より白っぽく風味が薄いとの声がある一方、生活費の上昇で乳製品価格が高まる中、安価な輸入品を選ぶ消費者にとっては合理的な選択でもあります。

米国産の輸入増加は、消費者に選択肢をもたらす半面、国内の酪農家や加工業者には価格競争への対応を迫っており、業界団体は強い警戒感を示しています。今後も輸入品のシェアが高まっていくのか、注目していきます。(本田歩)

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ウェルス編集部

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