オセアニア農業の歩み「円安の壁」

今週は、オーストラリア産牛肉の輸出が今年1-6月までの累計が記録的となっていることを取り上げました。6月は中国のセーフガード(緊急輸入制限)措置の発動で対中輸出が急減しましたが、日本などが伸びて、減少の大部分が相殺されました。ただ、円安や消費者の節約志向を踏まえると、日本が中国向けで余った分を大きく吸収するには限界があることが指摘されています。

円安の影響については、オーストラリア産の生食用ブドウ輸出でも考えさせられました。品種制限の撤廃を追い風に対日輸出は過去最多となりましたが、取材した青果物専門商社の担当者は、豪ドル高・円安でマージンが下がり、「輸入青果業界は非常に厳しい局面を迎えている」と話していました。売り場が広がり、輸入量が伸びても、為替の影響で輸入する側の採算は圧迫されています。

日本産の青果は、オーストラリアへ輸出することも困難です。植物検疫条件が厳しく、サクランボやモモなど輸出できない果物が多い上、輸出が認められている品目でも実際の販売拡大には高いハードルがあります。オーストラリア産品の対日輸出が伸びる一方で、メロンなど日本産青果のオーストラリア向け輸出がどこまで広がるのかは、今後の通商バランスを考える上で見逃せない視点になりそうです。(本田歩)

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ウェルス編集部

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