オセアニア農業の歩み「小麦調達に試練か」

今週のトップ記事では、オーストラリアの冬作物の減産見通しについて取り上げました。乾燥リスクに加え、肥料・燃料価格の高騰が長引くとみられる中、穀物生産者は収益悪化を避けるため、大きなリスクを取らず、作付面積の縮小という厳しい決断をしました。

中でも減産が見込まれているのが小麦で、減産が顕著になれば、輸出価格の上昇を通じて日本にも影響が及ぶとみられます。日本は年間小麦需要のほとんどを輸入に頼っており、オーストラリア産小麦の輸入量は約75-100万トンに上ります。このうち大半を占める西オーストラリア産の小麦生産量は前年度比で3割減少するとみられています。さらに、新年度の世界農産物需給予測(WASDE)では、日本が小麦輸入で頼る米国とカナダでも大きな減少が見込まれており、調達環境は一段と厳しくなる恐れがあります。

酪農のニュースでは、乳業各社による新年度の生産者乳価のオープニング価格が出そろったことを取り上げました。オープニング価格は今後1年の方向性を示し、農場での経営判断を左右するとともに、サプライチェーン全体の信頼感にも影響を及ぼす重要な指標です。提示された価格は昨年度のオープニング価格と同水準となりましたが、酪農家からはコスト高を背景に失望の声も上がりました。

今後数週間、加工業者の現場担当者と酪農家の間では、活発な協議が行われるとみられ、ウェルスでも引き続き頻繁に取り上げていきます。(本田歩)

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ウェルス編集部

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