湖城の窓から「生活コスト圧力、一層厳しく」
消費者の財布の紐がより一層固くなっていることが明らかになってきました。
オーストラリア政府統計局が発表した今年5月の家計支出統計では、レストランなどでの支出額は昨年末に比べ13%減少しています。また証券投資委員会によると、2023/24年度(6月期)の飲食企業の破綻件数は前年度を約5割上回りました。
ただし当時、苦境に陥っていたのは高級レストランとみられており、「インフレ圧力はファストフード業界にとって追い風になる」(金融情報企業モーニングスター)とされていました。実際にKFCの売上高は前年度を3.8%上回り、メキシコ料理のタコベルも3.5%増だったと運営会社コリンズフードが6月に発表した23/24年度(5月期)決算で明らかにしています。
しかしここへ来て風向きが変わりました。KFCの5月と6月の既存店売上高は前年比で0.8%減少し、マクドナルドも過去4年間で初めて売上高が落ち込んでいます。安くて人気だった鶏肉の消費も過去10年間で初めて減少しています。鳴り物入りでオーストラリアに進出した米バーガーチェーン「カールスジュニア」も全24店舗を7月に閉鎖し、2011年からブリスベンで展開していた日系のモスバーガーも撤退を決めました。
唯一前向きなのはインスタントコーヒーの「ネスカフェ」だけとの声もあります。生活コストの高騰がより深刻化していることを示唆しています。(編集長)
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