インドネシア給食無償化、豪農業界が期待

オーストラリアの農業界が、インドネシアへの農産物の輸出拡大に期待を示している。酪農業界は、今年の総選挙で勝利したプラボウォ次期大統領が学校給食を無償とし牛乳も供給する方針を示したことに注目し、畜産業界も同国の需要拡大に着目している。オーストラリアの食品とワイン業界はこのほど、代表団を同国に派遣した。

公共放送ABCによると、インドネシアの給食プログラムは来年開始予定で、コストは120兆ルピア(1ルピア=0.009円)と見込まれている。牛乳を供給する対象の子どもは8,300万人に上るという。

同国を訪問した酪農業界団体デアリーオーストラリアのマクエルホン氏は、「膨大な人数(への供給)は大きなタスクで、オーストラリアとインドネシアがどのような協力が可能か、強い関心が示されている」と述べた。同団体は現在、需要は粉乳なのか、超高温殺菌(UHT)なのかなど、情報を収集中だという。

マクエルホン氏によると、インドネシアはすでにオーストラリアの酪農業界にとって3番目の輸出市場で、輸出額は年間1億3,000万豪ドル(1豪ドル=約104円)だ。だが人口1人当たりの消費量は、年間15リットルで、オーストラリアの同300リットルと大きな違いがあるという。

■牛肉業界も期待

オーストラリア食肉家畜生産者事業団(MLA)のコックス氏は「牛の舌や肺、心臓など、オーストラリアで需要が高くない部位にとって、インドネシアは素晴らしい市場だ」と述べた。同氏によると、同国はオーストラリアの内臓肉の輸出先市場として1位であるほか、牛肉の輸入量も増加傾向にあるという。また、給食の無料化について「牛肉などの食品にとっても機会がある」と期待を示した。

プラボウォ次期大統領は、先に行われたカタールでの経済フォーラムで、大統領としての職務の中心は食糧安全保障だと語っている。

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