地声人語・湖城の窓から- vol.478
【地声人語】
友人のオージー夫婦から「HIBACHI(火鉢)を買った」とメールが来ました。添付されていた写真に写っていたのはどちらかというと巨大な七輪で、鯛(スナッパー)丸ごと1匹と、ジャガイモ2個が網の上に。炭火の味わいが良く最高だったそうです。HIBACHI がオージーを魅了してほしいところです。(岩下)
友人夫婦から「マッサージ器(Chi machine)を買った」と連絡が来ました。写真を見ると、足をゆらゆら揺らして体をほぐすモノです。実はそれは筆者が教えてあげたもので、凝りによく効きます。日本人が開発したもののようです。マッサージ器業界も、日本の開発力が魅了してほしいところです。(西嵐)
弟夫婦から「KANNA(カンナ)を買った」とメールが来ました。なに、大工修行でも始めたか?と写真を見ると、透けて見えるような薄いカンナくず……ではなく、黄色い花の「カンナ」が数輪。育てやすく美しく最高だったそうです。職人のカンナも花のカンナに負けず、木くずの美しさでオージーを魅了してほしいところです。(尋助)
【湖城の窓から】
「アグリテック、負の側面」
最近ますます注目度が高まるアグリテック。生産性向上やコスト削減など、多くの利点がありますが、その負の部分に着目した研究は目にしません。自動化が進んだ農業には、明るい未来が待っているのでしょうか。
調べてみると、モナッシュ大学の哲学者ハワード氏が分析を行っていました。それによると、ロボットにより「製造」された農産物は画一化が進み、消費者は「完璧な」商品を求めるようになります。かえって食品ロスは増え、標準化が可能な作物が遺伝子組換えで作られ、結果、食品としての多様性がなくなるとされています。
やや大げさな話にも聞こえますが、現在でもスーパーの厳しい規格が問題視されることがあります。一層の選別が進むということでしょう。
アグリテックは人件費の削減につながりますが、農村にとって労働機会の削減は深刻です。新技術を導入できない小規模農家が集約され農地の所有権の集中も。デジタル化が進めば、悪意のハッキングも食の安全保障上、考慮すべき問題です。
ハワード氏は今後のアグリテックは倫理的で地域的なアプローチが必要としています。【ウェルス編集長】
【ウェルスのトリビア ~今週の紙面から~】
次のシーズンからビクトリア州のリンゴ農園に投入される収穫ロボットの「イブ」。イブの「給料」はどの位でしょうか?(答えは記事中に)