ラニーニャの確率上昇、雨も穀物には遅すぎか
オーストラリア気象庁(BOM)がこのほど、同庁が気象予報に用いている7種類の気候モデルのうち3種類で、10月以降に太平洋の海面温度がラニーニャ現象の閾値を超える可能性を示していると発表した。それ以外の気候モデルのうちの3種類も、閾値に近いかわずかに超える状況になると予想されている。ラニーニャ現象が発生すれば雨が増える確率が高まるが、オーストラリアの穀物業界にとっては遅すぎるとの見方もある。
BOMによると気象モデル全体では、ラニーニャ現象の発生予想はまだ中立だが、気圧や雲、貿易風といった大気の状況も、過去数週間でラニーニャ現象に類似した状況に変わってきているという。
雨の多いことは農業界にとって前向きな兆候であるものの、今回は穀物にとって雨が必要とされる時期の後に発生するとみられ、反対に収穫の障害になる可能性もあるという。また発生期間は短く影響も比較的弱いと予想されている。
農業誌ファームオンラインによると、現在国土の北部では冬作物の収穫が開始される状況だ。また南部は10月の降水量が増えた場合に恩恵を得るとみられるものの、一部ではすでに霜害などの影響を受けた状態にある。一方で北部の夏作物にとっては歓迎される雨になるとみられている。
また、オーストラリアの気候に影響を与えるインド洋ダイポールモード現象(IOD)は中立を維持しており、今後はわずかに「負(ネガティブ)」の方向に傾くと予想されている。負のIODは、オーストラリアに雨をもたらす可能性が高くなるとされる。
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