オセアニア農業の歩み「予想外の15%米関税」
今週のトップ記事では、米国が7日から発動した追加関税がオーストラリアとニュージーランド(NZ)に与える影響を取り上げました。NZでは「予想外の高い税率」に動揺が広がり、ラクソン首相は「望んでいたことではない」と強く反発しました。マクレー貿易相は、米国との直接交渉に乗り出す方針を示しています。
特に影響が懸念されるのはワイン業界です。コスト増により利益率はすでに低下しており、昨年の時点で、国内外で販売が鈍化していました。
牛肉輸出にも試練となります。米国がブラジル産に50%の関税を課したことで、対米輸出枠に余裕があるオーストラリア産とNZ産が「穴埋め」役として期待されていましたが、NZの関税引き上げによって、オーストラリア産の優位性が鮮明になるとみられています。
一方で、乳製品や果物の影響は限定的との見方もあります。輸出大手フォンテラやキウイフルーツのゼスプリは、世界的な需要増に支えられ、従来の10%関税は大きな障害にならなかったとしています。それでも15%という新たな壁が、業界の戦略や米国との関係にどんな変化をもたらすのか、今後も注視していきます。(本田歩)
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