湖城の窓から「市場縮小」
オーストラリアの食品市場で、日本企業が進出あるいは展開を拡大する例が目立っています。弊誌で今年これまでに取り上げた企業は主なものだけでサントリー、キユーピー、壱番屋、ミツカン、キリン、無印良品、セブン―イレブンなど。長期保存パンのコモもシドニーやメルボルンで販促活動を行いました。単純計算で月に2社以上というこれまでにないハイペースです。
オーストラリアの直近の小売売上高は前年比で0.8%増でした。日本の小売業販売額(全店ベース)が前年比1.2%増だったことからも、現在のオーストラリアが特別に好調という訳ではありません。やはり長期的な観点から、今後も人口が増加し若い世代の多い市場に進出することで成長を継続する、という各社の戦略があるのでしょう。
ただ、こうしてオーストラリアが消費市場として注目される背景に、日本市場の縮小もあることを考えると、うすら寒く感じます。日本の人口は20年の1億2,615万人から、70年には8,700万人に減少すると総務省は予測しています。日本企業は存続のために海外に目を向けざるを得ない、と言った方が正しいかもしれません。(編集長)
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