湖城の窓から「彼我の違い」

今週のトップ記事は酪農業界を取り上げました。弊誌では今回を含め、オーストラリアの生産者乳価の上昇をたびたび報じています。直近では協同組合オーストラリアン・デアリー・ファーマーズ・コーポレーションの提示価格が、とうとう10豪ドルの大台を超えました。

一方でニュージーランド(NZ)では、フォンテラが先月、需要減少を理由に乳価の引き下げを発表しました。タスマン海を挟んだ両国はこれまで同じ歩みを見せていましたが、ここに来て方向性の相違が現れました。

この違いはNZの酪農業界は輸出が主体であるのに対し、オーストラリアは国内市場の割合が比較的高いことが背景にあります。豪フォンテラの幹部は「国際市場とオーストラリア市場の価格に乖離が生じている」と認めた上で、「NZの乳価引き下げはオーストラリアに影響しない」と明言しました。

実はオーストラリアは有数の牛乳消費国で、世界第4位です。その消費に対する自信が、強気の価格設定に出ているのでしょう。(編集長)

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