湖城の窓から「女なんかと商売できない」

ビクトリア州とニューサウスウェールズ州の州境で、南オーストラリア州にもほど近いサンレイシア地域は、オーストラリアのブドウ生産の約70%のシェアを占めると言われます。

その地で10ヘクタール(ha)の農場を持ち、生産したブドウのほぼ全量を日本向けに輸出している日本人女性がいます。彼女は農学者の夫と8年前にブドウ農地を購入。徐々に拡大してきました。「10haなんてまだまだ小規模」と彼女は言いますが、日本のブドウ農家の1戸当たり平均栽培面積は40アールとも言われ、その25倍に相当します。

今では日本の著名スーパーに出荷していますが、輸出開始当時、彼女は日本に向けて営業電話を手当たり次第にかけました。そんな中で「女なんかと商売できない」という反応もあったそうです。オーストラリアで事業を行ってきてそんな差別は受けたことはなく、非常に驚き悲しかったと彼女は言います。21世紀の今でもそうした旧態依然とした環境が日本にあることには、絶句するばかり。しかしめげずに突き進んだ彼女、今では多くの顧客の信頼を獲得し、さらに多数の引き合いがあるそうです。

そんな彼女のインタビュー記事を来月に配信する予定です。お楽しみに。(編集長)

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