第359品 メード・バイ・ミルクのコールドプレス・生ミルク

時間がたつと、ボトル上部にクリームが溜まります
コールドプレスと聞くと、一般に思い浮かべるのはコーヒーやオリーブオイルでしょう。加熱しないことでコクが出て、栄養価も高いと言われています。今回はその製法を牛乳に適用したメード・バイ・ミルクを取り上げます。
同社のコールドプレス・ロー(生)ミルクは、ニューサウスウェールズ州のバリーで乳牛から搾った生乳をボトル詰めし、高圧をかけることで有害なバクテリアを死滅させます。ビタミンやタンパク質、酵素などを壊すことはなく、賞味期限も長くなるそうです。
オーストラリアでは、殺菌処理をしていない牛乳の販売は禁止されています。しかし同社の高圧殺菌技術は、連邦政府により加熱殺菌に代わる方法として承認済み。密閉された牛乳を冷水で満たされた高圧処理装置に沈め、水に高圧をかけます。その圧力は世界最深のマリアナ海溝の水圧の6倍にもなるそう。処理中に空気に触れないので、賞味期限も10日ほど長く設定できます。
良いことづくめのようですが、難点はお高いこと。1.5リットル当たり7.95豪ドル(1豪ドル=約93円)で、大手スーパーのブランド製品の5倍以上の価格です。
味は確かにクリーミー。濃厚さをとるか、お値段をとるか、判断は分かれそうですが、同社は長い賞味期限の特性を生かし、今後は輸出にも注力していく方針だそうです。(尋助)
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