第23尾 「King George Whiting(ダイオウギス)」

最初に見た時はこれは何の魚だろうといぶかしんだものですが、キスの仲間だと知って、その大きさに驚いたものです。しかし、大きな種だと70センチ前後にも達するこの魚は、オーストラリアの固有種だと知ると、さもありなんとも思いました。どうりで日本で見たことがないわけです。

このダイオウギスは、尖った口と独特の細長い流線形、そばかすのような斑点などで、比較的容易に見分けられます。

独特の細長い流線型で見分けやすい魚です

市場に出回るのは全て天然物で、養殖はなかなか難しいようです。特に南オーストラリア州の沿岸で釣れますが、ボートはいらず、防波堤などからも釣れるため、一般人にも釣りやすい魚でとしてオーストラリアの人気魚です。南オーストラリアのアイコン的な魚と言ってもいいでしょう。個人の捕獲制限としては、30センチ以下は不可で、10匹までとなっています。

このダイオウギス、やはり塩焼きがオススメです。最初は独特のくさみのような風味が気になる人もいるかもしれませんが、スパイスや塩漬けすれば問題ありません。身離れが良くて、さらに白身はフワフワとした柔らかさで、非常に美味です。

8月時点でキロ約30豪ドル(1豪ドル=約94円)と、やや値段は高めでした。(西原哲也)

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投稿者プロフィール

西原哲也
1968年長野県須坂市生まれ。早稲田大学社会科学部卒。時事通信社外国経済部記者を経て、香港大学大学院アジア研究修士課程修了。共同通信グループNNAの香港華南版編集長、中国総合版編集長を経て、現在NNA豪州代表取締役