第510品 ナフィンのディップ

競合のプラスチック製品がずらりとならぶ棚で紙容器が目を引きます

オーストラリアの持ち寄りパーティーの定番といえば、フムスやクリームチーズなどのディップです。スティック野菜やクラッカーをつけて手で食べられるので、食器も必要なく、手軽なおつまみになります。そんなディップが入っているプラスチック容器ですが、人気がゆえに年間の廃棄量は2,000トンに上るといいます。

今回紹介するオーストラリア企業ナフィン(Nuffin)は、その名前の響きから想像できるように、容器へのプラスチック利用無し(Nothing)、添加物無し(Nothing)の環境と体に優しい製品でディップ市場を変革しようとしています。容器の材料はクラフト紙。表面には植物由来の生分解性バイオマスプラスチックであるポリ乳酸の非常に薄い層がコーティングされており、ディップのような水分の多い中身に対しバリア機能の役割を果たしています。

同社は一方、紙容器で無添加を追求したからこその不便があることも認めています。例えば、容器が90日以内に堆肥化されるように作られているからこそ、賞味期限が近づくと容器の結合部からディップがしみ出すことがあるそう。ただ、従来型のプラスチック容器が埋め立て地や海で数百年も分解されずにとどまることを考えれば、少しのしみくらい気にしてはいられません。

また、ディップが分離することもあるといいます。製造上の過程で増粘剤を追加すればすぐに解決できる問題ですが、同社はあえてそれをせず、かき混ぜれば元通りになると購入者にアドバイスしています。

今回試したチャイブス&オニオン味は、チーズとギリシャヨーグルトの酸味とタマネギの自然なうま味が合わさって中毒性があります。価格は200グラム入りで5豪ドル(1豪ドル=約94円)とお手頃。パーティーで万人受けすること間違いなしです。(岩下)

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