第29尾 「ティラピア(Tilapia)」
ティラピアは、名前からしてピラニアを連想してしまい(苦笑)、なんとなく食欲が湧かない淡水魚なのですが、中近東など海外では非常にメジャーな食用魚です。重要なタンパク源になっており、実はおいしい魚なのです。
原産地はアフリカと中近東で、食用として世界各地に流通したため、分布域が拡大したのだそうです。環境適応力に優れた魚で養殖に向いており、水温が比較的暖かい地域で繁殖します。
カワスズメ科ティラピア属の淡水魚の総称で、日本ではあまり見かけませんが、マダイに似た、カワスズメ・チカダイ(ナイルカワスズメ)がティラピアの一種として知られていました。ただしそれも最近はあまりなく、観賞用として飼われるケースもあります。
3月中旬にシドニーの市場で、体長約30センチのティラピアが1キロ12豪ドル(1豪ドル=約98円)と、比較的安価で売られていましたので購入し、蒸し魚にして食べてみました。細かい骨が多いのは気になりますが、淡水魚独特の臭みもなく、白身は柔らかくて、なかなかどうしておいしい魚です。
刺身には向かないようにも思えますが、新鮮なものなら、淡水魚だと思わなければタイのような味わいだとする人もいます。中華圏では甘醤油かけの蒸魚料理に重宝されるようです。(西原哲也)
投稿者プロフィール
- 1968年長野県須坂市生まれ。早稲田大学社会科学部卒。時事通信社外国経済部記者を経て、香港大学大学院アジア研究修士課程修了。共同通信グループNNAの香港華南版編集長、中国総合版編集長を経て、現在NNA豪州代表取締役
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