湖城の窓から「インフレは誰のせい?」

一時に比べ落ち着いたとはいえ、食品価格の上昇は続いています。そんな中で16億豪ドル(1豪ドル=約93円)をも超える純利益をはじき出したウールワース。生活コスト高に苦しむ消費者を踏み台にしたという反感も強く、公共放送ABCはニュース・タイムラインに「Lots of angry comments today(今日は、怒りのコメントが多い)」と一言載せています。

ウールワースのバンダッチ最高経営責任者(CEO)は、そうした声に敏感で「業績は、顧客と株主とスタッフとサプライヤーの間でバランスが取れている」と主張しています。

最上位労組のオーストラリア労働組合評議会(ACTU)が今月、大企業による価格吊り上げの可能性に関して調査を始めました。これには商工会議所が、企業による価格吊り上げの証拠はないと反発しています。財務省や連邦準備銀の専門家も企業の利益追求がインフレを招くという見方を否定していると言われる中、個人よりも企業がインフレを促進しているとの分析を示すエコノミストらも出ています。

チャルマーズ財務相はウールワースの決算発表の同日、競争法の見直しを実施する方針を示しました。「国内には(大手)ビール会社が2社しかない」と言っていますが、消費者にもっと影響を与える大手食品スーパーが2社しかないことに、目を向けることになるでしょうか。(編集長)

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