第4回 モダンオーストラリアン・メニューに並ぶ日本の食材
前回バーガーの記事でご紹介した、オーストラリア有数のトップシェフ、ニール・ペリー氏率いるシドニーの高級レストラン運営会社ロックプールグループのバーガー専門店「バーガープロジェクト」。「CLASSICやAUSSIE BURGER」を提供しているのはもちろん、「FRIED CHICKEN KATSUやSPICY FRIED CHICKEN KATSU」など「KATSU」という日本語をそのまま使用しているメニューが最近急増しています。以前は、「KATSU」とは呼ばず、「Deep Fried・油で揚げた」という表現で、衣を付けて揚げたお肉はドイツやオーストリアの肉料理と同じ「シュニッツェル」と呼ばれていました。
近年日本の食材をそのまま表現しているレストランが多く、中でもモダンオーストラリアンは、シドニーモーニングヘラルド・グッドフードガイドで1ハットを取得している「glass brasserie」はもちろん、3ハットの「Sepia」「The Bridge Room」「Quay」すべてのレストランで見受けられます。
特に使用されている食材は「Dashi」。モダンオーストラリアンでは、肉や魚をローストしハーブなどを入れ何時間もボイルして作るブロスに対し、短時間でうま味を抽出できる日本の出汁(だし)、そして何より深みのあるクリアなスープがいろいろな食材と相性が良いのも人気の一つといえるようです。フレンチシェフは、出汁にマヨネーズを混ぜたソース、韓国系アメリカンシェフは、昆布とアップルジュースを合わせたアップル出汁など、シェフによりさまざまな出汁も作られているようです。
常に新しい食材を探しているシェフにとって、日本の出汁やゆずは、今までにない食材だったのではないでしょうか。最近では「Daikon」「chawanmushi」「sobacha」「ama ebi」「shimonita onion」なども英語に変換せず日本語読みのままメニューに掲載されており、サービススタッフがお料理の説明をするのも一流レストランならではのサービス。
日本の食材の質の高さに魅了され、一流シェフがどのようなメニューを提供するのか、今後も楽しみです。
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