第60回 継続は力なり!シドニーで2度目の埼玉県物産展

吉川市の中原市長(左)と同市役所の小島慎平氏

吉川市の中原市長(左)と同市役所の小島慎平氏

ヒルトン・ホテル・シドニーで先月、シドニーで2度目となる「埼玉県物産&ツーリズム展2016」が開かれた。海外初の試みとなった前回に続き、今回も県が単独で主催する県産食品と県内観光のプロモーション。昨年の手ごたえや新たな試みなどを出展者に聞こうと、会場を訪れた。

会場入り口で来客を出迎えていた県の産業労働部観光課の高梨光美・副課長は、昨年との違いについて、まず「参加企業が昨年の10社から今年は12団体に増えた」ことを指摘。さらに、「前回参加した会社が今回は自発的に動き出しており、継続することが力になっている」として、参加企業の積極性にも手ごたえを感じた様子。ちなみに高梨副課長が身に着けていたのは、2013年に国の伝統的工芸品に指定された、秩父の伝統織物「秩父銘仙(めいせん)」で作られたアンティークの着物。秩父地域では大正から昭和初期にかけて、市民の約7割が養蚕業を含めた織物関係の仕事についていたそうだ。

現在では、秩父の養蚕業の歴史を生かし、地域農産物の活用に取り組む老舗和菓子屋の秩父中村屋(秩父市)が、「国産メープルシロップ」である秩父カエデ糖を使用し、まゆの形を模したマシュマロ菓子「ちちぶまゆ」を売り出している。

■吉川市長がトップセールス

埼玉県の南東部にある吉川市の中原恵人(しげと)市長は、市職員とは現地で合流となる、市長単独でのオーストラリア入りも意に介さない力のいれよう。海外での物産展参加は初めてだ。埼玉県がオーストラリア市場へのプロモーションを継続的に行う方針を示していることや、寿司文化の普及したオーストラリアでは、同県の高品質のコメが受け入れられやすいとの見方が背中を押した。

2つの河川に挟まれた吉川市は、なまずなど川魚料理の伝統がある。吉川産米100%と富山県の名水で作った日本酒「なまず御前」は、なまず料理との相性がバツグンという。さらに今年8月からは、吉川産の特別栽培米コシヒカリを「吉川のしずく」として売り出した。

中原市長は海外での展開について、大量生産が難しいこともあり、「高品質で勝負したい」方針。吉川産の食材を通して「本当の日本の味を理解してもらい、(オーストラリアでの)日本食のレベルを上げていきたい」と語った。

■飛び込みで試供品配布

パソコンでブルーベリー茶の製法を紹介。備前屋の工場長、石橋弘亨氏

パソコンでブルーベリー茶の製法を紹介。備前屋の工場長、石橋弘亨氏

また今回初参加となる、狭山茶の備前屋(日高市)が一押しなのは、日本茶で培った製茶技術を応用した「蒸し製」のブルーベリー茶。健康効果などで人気の、ブルーベリーの葉を使ったブルーベリー茶は各地で販売されているが、日本で蒸した茶を販売しているのは、宮崎県の1カ所とこの備前屋の2カ所だけだという。

備前屋は現在、海外向けは電子商取引(EC)を通しての販売のみ。「小規模で大量生産できないものあるが、現在は海外市場について試行錯誤の段階」(備前屋・工場長の石橋弘亨氏)だという。海外での物産展参加は初めてで、オーストラリアで展開する日本食販売業者との縁で出展を決めた。

「手探り状態」だと語る石橋氏だが、シドニーの街角で飛び込みで試供品を配布し、感想を寄せてもらうよう頼むなど、熱が入っている。

ほかに、弓削多醤油(坂戸市)、三上製麺(所沢市)、コエドビールの協同商事(川越市)、漬物のたきじ(深谷市)、焼き鳥用みそだれのひびき(川越市)、深谷商工会議所、米粉製品などのみたけ食品工業(戸田市)、お茶の矢島園(上尾市)、山香煎餅本舗(草加市)が出展した。

展示会のコーディネートはグローバル・プロモーションズ・オーストラリアが担当。約170人が会場を訪れた。

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