オセアニア農業の歩み「穀物も牛肉も楽観できず」

今週は、中東和平の見通しがオーストラリア農業界に与える影響について厚めに取り上げました。農業生産に欠かせない投入コストの高騰に苦しんできた生産者にとっては、一見すると朗報に映ります。

しかし、オーストラリアの穀物生産者は、すでに高騰した燃料や肥料価格の影響を受けながら冬作物の作付けを終えています。米国農務省(USDA)は最新の世界農産物需給見通し(WASDE)報告で、2026/27年度(6月期)のオーストラリア産小麦の生産量予想を再び引き下げました。

一方で、これから作付けを迎える北半球は投入コスト低下の恩恵を多く受ける可能性があります。7月発表のWASDEで北半球の生産見通しがどの程度上方修正されるのか、注目しています。

畜産分野でも大きな変化が起きようとしています。中国政府やオーストラリア政府からの正式発表はないものの、業界内ではオーストラリアが今年の対中牛肉輸入割当枠を使い切ったとの見方が強まっています。19日以降に中国で通関するオーストラリア産牛肉に55%の関税が課されれば、輸出採算は大きく悪化します。

さらに気がかりなのは、ブラジルの動きです。ブラジルも近く対中輸出枠110万トンに到達するもようで、これまで中国に向かっていた50万-60万トン規模の牛肉が、米国など他市場に向かうとみられます。米金融サービス会社ストーンXは、加工用や外食向けなどブラジル産と競合する分野では価格競争が避けられないと指摘しています。

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ウェルス編集部

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