5回目のジャパンエキスポ、シドニーで初商談会

日本の食材や文化、観光を紹介する展示会「ジャパンエキスポ(JAPAN EXPO)」が25日、シドニー市中心部のタウンホールで開催された。5回目となる今回は約3,100人が来場し、27日には出展企業と現地企業による商談会も初めて行われた。【ウェルス編集部】
ジャパンエキスポでは、名古屋市や愛媛県といった地方自治体などがブースを出展し、日本食や郷土料理、観光地を紹介した。

■愛知県は「名古屋めし」を紹介

今年はシドニー市と名古屋市の姉妹都市提携45周年を記念し、名古屋市の広沢一郎市長も参加した。同市のブースでは、広沢市長自ら来場者に「天むす」や「みそカツ」を振る舞い、地元で愛される「名古屋めし」を紹介した。また、和食に合うとされる希少な名古屋産ワインの試飲も行われた。

名古屋市の広沢一郎市長(右端)が来場者に名古屋めしをアピール(ウェルス編集部)

広沢市長は、ウェルス編集部の取材に対し、「名古屋めしを味わいに多くのオーストラリア人に名古屋に足を運んでほしい」と話した。

愛媛県は、日本最古の温泉の1つである道後温泉や新鮮な地元の魚料理などを紹介。担当者は「広島など近隣観光と組み合わせて愛媛への誘致を強化したい」と述べた。

また、全日本空輸(ANA)のブースには、訪日旅行を検討しているオーストラリア人が多数相談に訪れた。ブースでは担当者が、国際線航空券を保有している外国人旅行者を対象に、日本で乗り継ぎの国内線を無料で利用できるプロモーションなどを説明していた。

■商談会で販路開拓の道筋も

27日の商談会では、日本から出展した食品・飲料メーカーとオーストラリア企業が販路開拓や提携を協議した。

創業200年以上の歴史を持つ日本茶専門店の東京繁田園(東京都杉並区)はオンラインを中心に今年5月にオーストラリアへ進出。今回はメルボルンの企業などと商談を行った。ウェルス編集部の取材に対し、担当者は「オーストラリアでは抹茶ラテの需要が高く、高価な抹茶がおいしいと思っている顧客も多い。ラテにするだけではなく、いろいろな形で抹茶を楽しんでほしい」と話した。

東京繁田園(右手)は販路拡大に向けて現地企業と商談を行った(ウェルス編集部)

同社は、フランスのパリやスペインのバルセロナで開催されたジャパンエキスポにも出展しており、今回が3回目の出展だ。同担当者は、「オーストラリアは他国よりも日本文化への関心が高い。シドニーを拠点に国内の主要都市にも販路を拡大したい」と話した。

発酵食品を取り扱うフロンティアプラン(名古屋市)の担当者は、商談の結果「メルボルンで発酵のワークショップ開催が決定した」と今後の展開に自信をみせた。発酵味噌を取り扱う菌香工房(名古屋市)も「(オーストラリアでは)味噌汁の認知度は高いものの、味噌自体への知識や理解は不十分だ。健康志向の高いオーストラリア市場で味噌を使った発酵料理を広めたい」と今後も積極的に海外への展開を進める方針を示した。

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