第219回 日本に待ち受けるリスクとは(上)
オーストラリア政府が、海軍の次期新型フリゲート艦として、日本の三菱重工業が開発する護衛艦新型FFM(改良もがみ型)を採用することになった。オーストラリア政府は性能や納期、日本と米国の安全保障関係などを優先した形で、日本にとっては、戦後初の本格的な防衛装備品輸出として、画期的なメルクマールとなる。これは日本の防衛産業が復興するきっかけになるほか、オーストラリアに日系企業による投資が怒涛のように増えることなど、日豪関係を補強する多大な副次効果も期待される。オーストラリアのメディアも総じて、政府が日本案を選んだことを「最善の選択」と評価する見方が大半だった。だが――。水面下では、オーストラリアの軍事業界は現在混乱に陥っており、実は日本にも多大なリスクや試練が待ち受けているのも確かだ。【NNA豪州・西原哲也】