ことの葉「豪州のコメ」
在豪作家、松平みな氏と話した。氏はオーストラリアで活躍した日本人を題材に小説を発表している。
その中の一つ「穣の一粒」は、日本の明治時代に当たる頃、オーストラリアで初めてコメの商業栽培を成功させた高須賀穣の生涯を追ったもの。高須賀は今から120年前、40歳でビクトリア州メルボルンに渡り、人生の後半を新天地でのコメづくりに捧げた人物。白豪主義の中、毎年のように氾濫するマレー川を相手に孤軍奮闘の開拓だった。松平氏によると、実際の差別は小説で描かれたよりも過酷で、農地の借用にも苦悩したという。初収穫は1911年。土地の自由保有権を得たのは1921年だ。
オーストラリアは昨年度、50万トンのコメを生産し、アジア各国にも輸出した。コメ輸出の中心的企業サンライスは「高須賀の挑戦がオーストラリアのコメ産業の基盤であることを忘れない」としている。もし高須賀が現状をみたら、どう感じるだろうか。(尋助)
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